2013年11月7日木曜日

 
西川 虎三
私の椅子はピアノをイメージした椅子で、座は和紙のペーパーコードで編みこんでいるので軽くて丈夫です。背あてを積層で曲げて作り、美しい姿勢を保ちながら楽に座れると思います。ブラックウォルナットをメープルで挟み込んだ積層はピアノの鍵盤からインスパイアされました。

[島崎先生コメント]
全体のバランスから見て、背から前足までの距離が少し長いのではないか。
後足の形と背当てのラインの形が上手く共存しているかどうか。
背当てだけメープルでやるのは全体の色彩感覚からするとうるさくて、やりすぎではないか。
できあがった椅子に、作者の苦労の跡が出て見えるのは未熟なものといえる。
制作のプロセスが表に出るのもよろしくない。
難しい技術や優れた材料を使っていても、これみよがしになっているものは品格に欠けるものだ。

創造家具 虎三
HP  http://www.kagutora.com/


[島崎先生からのメッセージ]
デザイン作業で、最初に紙の上に形を描く時には、まずフリーハンドで描く事が大切です。
それはデザインが目と手によるクリエイションが元になっているからです。
他人に伝える必要がある時には、フリーハンドで描いた自分の曲線にR定規を選んであてて、その数値を他の人に伝えることが必要です。デザイン作業の最初からにR定規などに頼ってはいけない。
私も若い頃にフリーハンドで直線を描く事を訓練したが、留学先でほんのわずかな間隔に何本もの直線をフリーハンドで描いて見せて、周囲の見る目が一変した経験がある。

作者の力の基本となるフリーハンドの力と五感を通して自分の物差しを鍛える努力が必要です。

 
 

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